ワニさん

保育園では８月いっぱいは毎日のようにプールが予定されている。

子供の調子が悪い時には、今日は休ませて下さい、シャワーのみにしてください、とプール表に書き込むことになっているが、我が家の愚息共はすこぶる調子が良い！ほとんど休むことなくプールに入っている。
子供たちも朝、「パパ、今日も○つけてよ！」（プール表に入水O.K.のサイン）と、子どもたちからせがまれる。パパも仕方なく、昨夜、少し体調が悪そうでも、今朝方熱も無く体調が良さそうなら“○”を記入してきた。

彼らにとって、登園する楽しみの一つなのである！！

８月に入った頃、帰りの車の中で「○○くんは、顔を水に付けられるんだよ！」
と興奮気味に話すカズがいた。「へぇー、すごいね！！カズは出来ないの！？」と聞くと、
「カズは出来ないんだよねぇ~」と尻つぼみの返事。

よし！練習しよう！！

その晩からお風呂場で練習が始まった。

とりあえず、鼻をつまんで顔を水につける練習。

鼻をつまんで目を思いっきり閉じ、気合十分。「やってごらん！！」とパパの声に勢いよくつけるかと思いきや、動いてるんだか動いてないんだか、ユックリユックリ水面に近寄っていく。

よし！つくぞ！！

と思った瞬間、勢いよく跳ねあがるカズ。

「やった！パパ、出来た！！出来たよ！！」

アゴのあたりにわずかばかりの水滴を付け、興奮気味にパパに訴えるのだが．．．Σ(￣ε￣;|||･･･

おおげさだろ！お前！鼻より上は全く水についてねぇよ！！

その日からカズはお風呂場で顔付けの練習を始めたのだった。一番、無鉄砲なタクは乗ってこないし、ショーは入浴剤とか入れると、「お水が汚れているからイヤ！」とナイーブである。
結局、カズばかりが練習する感じに。

そして先月末、たまたまパパが迎えに行った時だった。

保育士さんが「今日、カズくん、水に顔をずっとつけていられたんだよね！」と嬉しそうに教えてくれました。
「カズ、いっぱい練習したもんね！」とパパが言うと、カズは照れくさそうに“はにかみ”ながら笑っているだけだったが、ショーは「カズ、すごかったんだよ！ずっとずっと顔つけててワニさん出来たんだよ！！」と車の中で自分のことのように興奮して教えてくれた。

その日からコーチはパパからカズに、練習生はカズからショーに変わったのだった。

今夜も我が家の風呂では、「そうじゃなくて、もっとこうやればいいんだよ！！」と可愛いコーチの声が響いております。

PS.もちろん、入浴剤、投入前の出来事です。